今回は、新譜の紹介です。ついに、このアルバムをブログで取り上げることができる・・・。
Stop! Total Knock Out Orchestra は、北海道のジャズ文化を守ろうとベース奏者の立花泰彦さんが立ち上げた活動で、このCDを購入することでジャズ喫茶やライブハウスにお金が寄付されるという仕組みです。自主制作版ですが、多くの北海道出身のジャズ奏者などが関わり、素晴らしい内容です。もっと広く知られて欲しい活動です。
北海道に住み、ジャズ喫茶に足繁く通う僕。これは手に入れるしかない、とジャズ喫茶へ走りました。
CDは二枚あり、片方は投げ銭スタイルであとから値段を決めるというもの。
1. EAST
2. WEST
3. SOUTH
4. NORTH
5. THREE HILLS
6. 火曜日のブルース
横山裕太 trumpet, 菅原昇司 trombone, 坪田佳之 tuba, 奥野義典 alto sax, 吉田野乃子 alto sax, KIM YOOI tenor sax, 武内宏峰 baritone sax, 池田伊陽 guitar, 中島弘恵 piano, 立花康彦 bass, 小山彰太 drums
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7管となかなか重たい編成ですが、編曲がスッキリしていることと、それぞれのソロがとても魅力的で、とても聴きやすいです。
ミンガスの世界観に和ジャズの世界観をちょうど足し合わせたような感じのアルバムで、重厚な管楽器のユニゾンや不思議と和風なテーマ、フリーキーなサックスソロなど、ジャズ好きなら堪らないです。
1. EAST
ベースソロが先導、スピリチュアルな雰囲気で始まる。ベースから始まるアルバムはだいたい名盤。小山翔太氏のドラムでリズムが決定し、ホーンがテーマを奏で、ピアノが味付けにコードやフレーズをちりばめる。重厚なバリサクなど、フリーキーなソロが聴きどころ。
2.WEST
こちらは、ベースのアルコから始まる。穏やかで、沈んでいくようなバラード。ドラムの小刻みなブラッシングや、ピアノのミニマルなソロなど。後半はホーンによるコーラスが時折挟まれ、それが異世界の物語のような雰囲気を醸し出す。これは素晴らしすぎる。
3. SOUTH
フリー的な楽器の掛け合いやパーカッションから始まる。最初は、あれ?といった感じだが、徐々に楽器同士がまとまり始め、一つのテーマを通して発散していくような、そんなイメージ。
4. NORTH
ミンガスのような、怪しげで不思議なテーマから始まる。序盤から既にサックスがフリーに叫んでる(笑)徐々に管楽器が印象的なフレーズをとり始めるが、中盤になると、アルトサックス大爆発。このソロは凄すぎる。鳥肌もの。
5. THREE HILLS
ニューオリンズ・ビッグバンドをミンガスがやりましたみたいな、ユニークで楽しげなテーマ。そして、物凄い勢いでソロへ突入。ピアノソロがキレッキレのフリー的なことやってて、カッコイイ。もう薄々気づいていたけど、このCD、とんでもない歴史に残るアルバムなんじゃないかな。
6. 火曜日のブルース
ゆったりとしたベースソロから始まるブルース。途中からはリズムが早くなり、各楽器ノリノリのソロが次々と展開されて、とても良い感じ。最後はお決まりのブルースのテーマで。
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拙い文章で僕が書くのが恥ずかしくなるくらい素晴らしいアルバムで、なんだか途中からゾッとしましたが、曲の感想まで書いてみました。
宮間利之とニューハードというビッグバンドが好きで、レコードを集めたりしましたが、このアルバムを聴いていると、そのニューハードのサウンドが頭に蘇りました。重厚な編曲、スリルあるソロ、独特の世界観。
本当、このブログを見るジャズ好きのみなさん、聴いてね!北海道のジャズ喫茶、行こう。