素晴らしき呉の階段たち

2022年の春に呉の階段を巡った際の記録です。

呉は古くから港町として、またその入り組んだ地形のため戦時中は軍事都市として栄えました。山と海に囲まれた少ない土地に、起伏をうまく利用して建てられた近代建築が多く残ります。

実は、呉には以前 (呉 近代建築) も訪れていましたが、1日ではとても周りきれないほどに路地が複雑。今回は階段/路地を中心に見ながら歩きました。

 

今回は、呉駅から西側の両城地区を歩きました。

 

駅から徒歩圏内で既にこの密度。

後ろに見えるのは、第6号潜水艇殉難之碑。

 

階段を登ります。

 

階段はどこまでも続く。

この高さまで登ると住宅もまばらになるが、フェンスで囲われた空き地にも昔は住宅が立ち並んでいたのだと想像できる。
 
 

階段巡りにはお馴染みとなってしまった、「急傾斜地崩壊危険区域」看板。
 
↑今歩いているあたりの空中写真。 Google Maps より。

振り返ると、向こうに小さく造船所のクレーンが。


山肌にそって歩く。

十字赤煉瓦の塀、にょろにょろと足のように生える水道管。

階段の上の方は、既に山に飲まれていた。

 長崎のような白ペンキ階段。

オレンジ屋根の洋館付き邸宅。

こちらはドイツ壁な洋館。

立派な和風邸宅と門構え。
 
張り出し十字煉瓦。
 

こんな路地のずっと奥にも原付が。どこか別にバイクの入ってこれる道があるのかな。

坂道・階段・坂道・階段......。


季節は春。桜が一番きれいな頃。

海からの風が通り抜けてゆく。

この階段は怖かった。左は崖なのだ。
 

足元を見ると、吸い込まれそう。
 
 
それでもあちらの斜面には、此処よりも高いところにまで建物が。
 

 
 
今度は降っていきます。

 
次はこの階段を登る。

グネグネ階段だ。

ひたすら登ります。

かなり登ってきたぞ。景色がとても良い。

振り返るとゾッとする。

うねるような地形。

今立っているあたりを、Google Maps の空中写真で見たところ。

洋館付き邸宅。
 

 
向いの斜面にも似たような洋館付き邸宅(3棟)
 
遠くから見るとミニチュアみたいだったけれど、近くで見ると立派な洋館だ。
 
 
 縦に3連、洋館付き邸宅群。以前テレビでも紹介されたみたい。
 
 
 有名な両城の2百段階段を降って、市街地へ向かう。
 
 路地を抜けて。
 
 日が暮れるまでは街を散策して時間を潰します。


 日が傾いてきた。
 
  この陽が陰って路地に影がさす瞬間が、一番歩いていて楽しい。
 
 

空はまだ明るいが、路地の奥は薄暗くなり始めている。
 


赤煉瓦の路地、洋館付き邸宅。


ここにも洋館。

不思議な洋風建築。

登っていこう。
 
 トタンの赤錆、赤煉瓦塀。
 
 
 庭先の植栽と、路地に生える赤色。
 
 
そしてこの高低差。ほんとうに素晴らしすぎる....。

 
 
 ここは今回の旅で一番長く感じた階段。
 

 何度も折り返しながら、遥か上まで登ってゆく。
 
 
ここでもやっぱり、春の花に郵便ポストの赤色が生える。
 
まだまだ続く。
 
 振り返ると、眼下には西日を受けて輝く街が見える。天国みたいだって、そう思った。
 
呉という街。瀬戸内特有の起伏のある地形に、あれだけの住宅がひしめき、その間を幾つもの階段と路地が繋いでいる。そして、その階段は今も誰かの日常生活の一部として、生きている。

しばらく景色に見惚れて泣いていた。
夕食をとってから、また少し散策。


 
 
両城の2百段階段のすぐ近く。

 
 
 
 道が入り組んでいるため、2百段階段よりも長く感じる....。
 
 
 ここは行き止まり。上に洋館付き邸宅が見えるのは気のせいだろうか。
 
 
駅までの帰り道、不思議な窓の邸宅。


帰りは電車で。あまりの凄さに、言葉を失いながら。
 
 
 
今回の階段巡り、歩数にして3.5万歩。ほとんど1日中歩き続けていました。